2025.08.12

機械学習×流体力学が示すエンジニアリングの未来#2

全体のフレームワーク

本検証では、Perrin F1のリアウィングにおける3つのパラメータを対象に、Fig.3に示すようなデータ駆動型手法を用いて、パラメータの最適な組み合わせを導き出しました。

Fig. 3. 本検証における全体のフレームワーク(scikit-learnのWebサイトおよびMuhammad et al., 2023より引用)

まず、CFD解析により初期データセットを取得しました。この際、Latin Hypercube Sampling(LHS)という手法を使ってパラメータを決定しています。それぞれのCFD結果からL/D(揚抗比)を算出し、3種類のパラメータを入力、L/Dを出力とするサロゲートモデルを構築しました。モデルの手法には、Gaussian Process(GP)やRadial Basis Function(RBF)を採用しています。

このサロゲートモデルを使って、2通りの方法で最適なセットアップを導き出しました。1つは性能を最大化することを目的としたセットアップで、遺伝的アルゴリズムにより導出しました。もう1つは、モデル精度を向上させるためのセットアップです。

それぞれのセットアップに基づいてCFDを再実行し、性能面で目標値に達した場合はその時点で試行を終了。それでも達成できなかった場合は、サロゲートモデルを更新し、再度最適化を行う流れとしました。

また、Fig.4およびFig.5に示すように、リアウィングの「Flap-Angle」「Main plate-Height」「Main plate-Angle」の3項目を最適化対象としています。